ゴリラの子育てと人間の子育て

「ゴリラの子育て 人間の子育て」講師:京都大学大学院理学研究科 教授山極寿一氏(趣味:リンガラ・ポップスを聴きながら踊ること。野外で採取した食材で料理を作り、お酒を飲むこと)
講演を拝聴して、私が心に留まったことをメモにしました。(以下)
2009年は国際ゴリラ年だったそうです。知ってました?私は知りませんでした。先生は最初に「人はサルの仲間ということを認めて欲しい」と仰いました。6,700万年前人はサルから枝分かれしたそうです。
サルは鳥の食卓に侵入して進化しました。被子植物を食べ、植物と共進化(共に生きる)道を選んできたそうです。柿の種やスイカの種は、飲み込みやすいように、サルのために作られた種だそうです。
文化によって違うマナーは、作られたものだから、生まれてから教える必要がある。食に関する文化も世界でそれぞれ違うが、サルは、強いものが勝つため、餌も強いものが奪っていくのだそうです。サルは誰かと一緒に食事を取ることはなく、常に個で餌を守りながら食べます。
ところがサルより少し進化したボノボは弱いものに食物を分け与えるそうです。ゴリラは弱いものに餌場を譲ることもするそうです。そしてチンパンジーの分配(餌を分ける行為)は、顔を向け合って食べているそうです。
人の文化の共通点として、共食と分配があります。特に人は、食に関して、弱いものに自分から持ち寄って、より多くを分け与えようとします。
ゴリラ独特の対面交渉(あいさつ)があって、顔と顔を近づけて見合わせます。言葉という文化を持たない彼らですが、私達も恋人同士がKissをして言葉が無くても分かり合える距離というのがあるように、ゴリラも同じような言葉の要らない距離でのあいさつという文化を持っています。
ところが日本サルは、目を合わせるとケンカになります。それに対して、チンパンジーボノボ、ゴリラは顔を近づけて挨拶をするそうです。言葉が要らない関係は、相手と一緒になる距離に居るということだそうです。
そして私が1番大切だと感じたのは、ココからでした。「共感は遊びによって育てられる」ということです。遊びというのは、経済的な目的を持たない。相手に強制できないもので、力のバランスを図る必要があり、小さい方が合わせてもらうことで、イニシアチブをとり、年長者と年少者の役割が交代する。
ゴリラのオスは実に素晴らしい保育士で、蛇ダンス、高いところへ競って登ったり、追いかけっこをする。一人遊びも上手で、グルグル回りをしたり、遊びに誘うときは、タッチしたり、木を揺すったりして挑発する。そして遊びの中で、実に幸せそうに笑う。
大きい子は手加減して相手に合わせ、バランスを取るので、通常胸を叩いて合図を送るのだが、小さい子には刺激が強すぎるので、優しくお腹を叩いて合図を送ったり、遊びの中でも細やかな心遣いが見られる。こうして遊びの中から発達する中で共感が育つ。これはまさに私が望んでいる子育てに近いなと思うところが大きかった。私はゴリラ並みかぁ(笑)
氏はハリウッドで、シガニーウィバーが主演で映画かもされた、実在したダイアン・フォッシーさんに師事し、1980年〜1982年ルワンダで特定のゴリラの群れに入って調査をしたが、内紛などの激化で退去。その28年後に同じゴリラの群れで、当時一緒に遊んだゴリラと再会を果たした。その時の映像が実に感動的で、ゴリラは思い出したように見える行動が撮影されていました。
山極教授を認識したと思われた瞬間、寿命40歳くらいのゴリラの中で、再会した36歳くらいのヨボヨボ顔のゴリラが、一瞬にして子供の顔に戻り、子どもの頃と同じような行動を見せた。子供の頃のように寝転び、子供の頃と同じようにして遊び、そして我に返った時には、またヨボヨボの老ゴリラの顔に戻っていた。不思議だったけど、人間にもそういう時があるらしいお話でした。そして本当にその表情は、見事に子供から老ゴリラへ変化し、驚かされました。感動しました。
この事から、山極氏は「子どもに戻れるからこそ、一緒に遊べる」と言われました。そしてその遊びの中から、発達をし、共感が育つのです。
更に父親は作られるというお話の中では、子供のゴリラが、オスもメスも、乳離れすると、子供の内に母親から離れ、子ども自身からオスの中に入ることで、その結果インセスト(近親相姦のタブー)は回避されるそうです。森で出会った他の群れのゴリラは繁殖相手になっても、自分が育てた子は繁殖相手とは見なさないのは興味深いことだと思います。ウェスターマーク効果と呼ばれ、親というのは生後作られ、親子の関係と恋愛は両立しないそうです。
今の世の中に危機感を感じているという山極氏のお話から、私もなるほどと思うところあり、その後のお母さんの立ち話を横で聞いていても、「今は勉強とかしなさいと言って、教育をするよね。でも遊びの中から教えることは確かに無いよね。」
私は「共感する」というのが大きなキーワードだと思っています。子ども達が共感するのは、親から「しなさい!」と指示されて、やらされることじゃなくて、自発的に行動する「遊び」の中でこそ育つ。そこに私も賛同しました。
さて、先日から準備をしてきた「10人の海賊の集まり」ですが、13日にお菓子を買いに行って、14日に招待状を配り、15日出欠を確認し、10人以上の海賊が集まる予定だとわかりました。宝探しや、映画を観るにも、スムーズに流れを組み、準備を整えて、タイムスケジュールを立てる必要があります。
夕方からは、模擬結婚式を見学しに、始めての神戸の北区へ足を運ぶため、こちらの準備が必要。予定に遅れないためにも、みんなが楽しめるためにも、そして俊や玲君と一緒に準備をする時点から楽しめるように工夫していきたいなと思っています。海賊の集会成功させるぞっっと!(笑)
子育ての人気ブログランキングに参加しています♪→ポチッと応援をお願いします。