男の子って、どうしてこうなの?


「男の子って、どうしてこうなの?」は草思社発行のスティーヴ・ビダルフ著の書籍の題で、本の帯には「母親にはわからない事情がある!」って書いてあります。男の子と女の子の脳は、発育の過程と速度が違うことや、思春期には親以外の大人の助けが絶対に必要であることなど、成る程〜と思うことや、今までの経験や人間観察から自分でも感じていたことの再認知といった内容がしっかりと書かれていて、とてもためになりました。
男の子の成長段階には大人になるまでに、ホルモンの分泌が活性化する3度の時期があって、2歳から就学前までの6歳くらいまで、もちろん個人差はあるものの、第一反抗期と呼ばれる時期と重なることがわかっているらしい。人間を科学して、数値によって分析して、その時必要なことを導き出した子育ての手引書としては、説得力のある1冊だったと思う。
これは素晴らしいと思った文脈や、メモして残しておきたい部分などを書きとめてみた。
注意欠陥障害(ADD)について
1.リタリンなどの強力な薬剤の長期の使用が安全で効果的だということは、未だ証明されていない。
2.ADDのケースの90%を占める少年たちに、落ち着くことや集中することを学習させるために、手を貸すことが必要。
3.ADDは子ども達を暴力的にはしない。注意散漫や神経過敏にさせるだけである。子どもの暴力は全般的に家庭環境の要因から生じる。
まづADDの疑いを感じたら、他の可能性についても考えて可能性を1つずつ消去すること。
性的虐待、離婚や家庭内暴力による動揺、気まぐれなしつけ、子どもに無力感を植え付ける学校での学習障害など。
相談できるのは医師や学校。そしてADDだとわかったなら、心理学者、小児科医、教師らの助けを得て、サポートすることが必要。
【健全な性意識を育てる】
1.好きになること、愛すること、欲情することの違いを少年に教える。
2.息子が十歳になったら、ちょっとした通過儀礼をし、セックスについて肯定的なメッセージを与える。
3.息子にどんな人でも敬うよう教え、性的に陰湿にならないように注意していよう。女の子たちと友人として知り合うのに手を貸してあげるといいだろう。
4.16歳以下の少年と少女の関係を性的とみなす風潮をいましめよう。
5.少年もまたたんにセックスをするだけではなく、愛されるのを望んでいることを覚えておこう。
6.少年がダンス、ドラムたたき、音楽、マッサージなどを通して身体を生き生きと保つのを手伝ってあげよう。少年が喜ぶ間は抱いてやったり、背中をなでてやったりしよう。
7.やさしさは赤ん坊のときからやさしくされることでつちかわれる。人間関係についての真のレッスンは3歳までに習得される。
8.マスターベーションはたんに害が無いだけではなく、自然な衝動である。
9.ポルノはすすめられない。ポルノやそれを伝えようとしているメッセージについて話し合おう。
10.母親は少女が男の子の何を好んでいるか(親切、会話、楽しさなど)を理解するのを助けてやることができる。
【少年の傾向と対策】
・男の子は父親の態度から学ぶ(悲しみ、怒り、喜び、恐れ、私たちには感情があることを子ども達に見せる必要がある)
※↑親はいつも忍耐を象徴しているので、感情的な行動によって、子どもの安全は脅かされる。感情は言葉で表現するべきである。
・母親が男の子の自尊心を育む
・少年はつねに明確なルールと秩序を必要とする。
・特に14歳頃、テストステロンの値が急上昇し、屁理屈を言ったり、向こう見ずなことをしたりしやすくなる。
・大人に移行するにはコミュニティに属している必要がある。
>>穏やかに衝突を解決する方法を示してあげ、どなりつけたり、攻撃したりするのではなく、理由を言い聞かせて彼らを落ち着かせてやる。暴力や脅しに訴えずに、良いマナーを身につけさせることも大切。父親は少年のモデルとして振る舞い、母親に敬意を払うよう言って聞かせる必要がある。
・特に13歳ごろ急成長を遂げ、ぼんやりして方向性を見失うことがある(女の子も同様)
>>子ども達の心を落ち着かせ、部屋の整頓や家事、学校のプロジェクト、日常的な仕事に取り組むための体系的なやり方を教えてあげる。
・夫婦が別れても、子どもとは縁を切るな
■成長に合わせて対応を調整する
>徐々により多くの責任と自由を子どもに与えていく
(小学生時代)→少年の周りの危険を注意深く見守りながら、テレビやゲームの時間を制限するなど舵取りも必要になる。子どもの友人を招待して、家で一緒に遊ばせる機会をもうけることもできる。
(中高校生時代)→母親から離れて自分で行動できるようになる。お互いが親しい関係を維持できるように、一緒に映画を観にいったりそれについてお茶を飲みながら話をすることもできる。個々の好みによって、愛情の示し方を見つけ出して接するようにする。
 →責任感は結果を通して習得される。結果や公平感が母親の武器である。息子がズレている時は交渉することができる。
(以上、この本を読んでから大切だと感じたことのピックアップと私のメモ)