マダマダ自分探し中


私の昔からの夢は、常にクリエイティブな分野のお仕事を求めていて、中学校2年生の頃は、伊藤かずえと堀ちえみが主演していたドラマの影響もあって、服飾デザイナーになりたいと思っていたし、絵を描いたりするのが昔から大好きで、20代前半はイラストレーターとか絵本作家を夢見て目指していた。
一時期、看板や路面電車のデザインなどを手がける仕事をしていたけど、結構アイデアやデザインが採用されて、とてもその仕事が好きだった。
会社の経営者がワンマンで、会社のお金を使い込んで、3か月分の労働賃金を未払いにしなければ、その仕事は続けていたんだろうと思う。生きていくために、一旦夢を追うことを辞めて、会社にも見切りをつけて、生活を立て直すために、より堅実に手に職を着けようと、大阪へ出てきてトリマー養成専門校へ通い、2年間修行した後に他の動物系の専門学校の教務として就職をした。
動物業界は伸び盛りであったし、将来性も有望に思えたけれど、意外にも私自身が犬を心から好きという気持ちを失ってしまった。
きっと動物業界に入り、その裏を見たがために、失意が芽生えたためとも思える。私自身が見聞きして知ってしまった動物業界の裏の顔と自分を同化することができなかった。同じ穴のムジナにはなりたくない。
そんな気持ちが、私を夢へひた走る情熱から引き離して行った。
夢にはロマンが欲しい。遺伝子学的にどうなっているのか?不思議だなっていつも思うのは、100年もかからずに、イングリッシュ・コッカー・スパニエルを基にして、交配を繰り返してアメリカン・コッカー・スパニエルを生み出した、ブリーダーさんの情熱。凄いと思うし、歴史とその美しさで、アメリカン・コッカー・スパニエルは、私の夢の犬でもある。
また高級家財に使われる、高級木材のマホガニーから由来する、マホガニー・ブラウンと呼ばれる、少し赤身の入った茶色の毛が美しいアイリッシュ・セッターは高貴な容姿で、まるでブランドバッグを持つように、オーナーの自尊心をくすぐる犬と言われている。
他にも沢山、様々な犬種が、それぞれの産出された目的(仕事)によって存在し、その歴史故に出来上がった、機能美ともとれる美しさを供えていると思っている。
犬事態は素晴らしい。でも犬に関わる仕事としては、ブリーディング(繁殖)、生体販売(命の売買)、またそれらにより近く存在し、現実を直視しなければならなくなるトリマーという職は、私にとってとても心が苦しいものと感じた時期があった。
これらを挫折とは思わないけれど、私自身がノビノビと☆イキテル☆そんな喜びを見出すことはできなかった。
やはり最初の動機が悪かったのかもしれない。私自身はクリエイティブなことが大好きなのだから、ペン一本で勝負するような厳しい世界へ立ち向かっていった方が、良かったのかもしれない。
今更ながら自分に正直に、そんな見地に立って自分の天職を探している。
愛犬や愛猫の「健康」と「幸せ」のために、健康食や快適なアイテムを厳選してお届けしている今の仕事は好きだと感じる。
お客様から教えられることも多い。本当に愛情の深い方からご用命を頂いているお店だと感じているし、その気持ちにお応えできるように努めてもいる。使命感も持ってやらせて頂いている。
それ以外に、やはり自分らしさを発揮できるものが欲しいと願う自分も居て、今年は年初めから随分とそんな気持ちが逸(はや)って、私を動かそうとしている。
もっと自由になって良いんだよ。そんな心の深部からの声に従って、今までなら生活優先のために捨ててきた、自分の興味の惹かれるままに、本を購入して読んだりしている。
自分探しの旅の中から、どんなものを掘り出せるのか?昔好きだったことを思い出したり、今また私が自分らしく居られる幸せな時間の扉を開く前のワクワク・ドキドキが始まった気がしている。