空手を辞める決心


ぽぽちゃんのお世話をする嘉奏子。嘉奏子はおままごと遊びが大好きです。ご飯を作ったり、並べたり、ふるまってくれたり、お風呂へ入れたり、今日は髪を切っています。
女の子らしくて、やっぱり大きくなって自分のやることを知ってるんだなぁ。練習してるんだなって思います。
俊哉はテコンドーをやりたいからということで、土曜の夜に通って居た空手を辞めることにしました。
テコンドーをやりたいという目標があるから、空手を辞める決心は自然な流れでした。ただお世話になった師範には、そうは言えず「サッカーが忙しい」というこれもまた事実なので、そこを伝えました。
それに便乗して玲君も辞めると言い出しました。
玲君は何がやりたいの?と尋ねると、色んな面白いことを話してくれるのだけど、一番ピンときたのは料理を作る人?になりたいのかな?と思いました。
玲君はLEGOが大好きです。色々と作るのが好きみたい。それで「LEGOを作って、動かせるようにする教室に通ってみる?」と尋ねると、「あーでも設計者は、ちょっとなりたくない」と答えました。
設計者っていう言葉が出てくるところが凄いなと思いました。
それにしても俊は今のところ漫画家になりたいと言います。私は中学生の頃、デザイナーになりたくて、実際に推薦で高校を受験しました。凄い倍率の科でしたので、残念な結果で、結局は普通科のある無難な高校へ入学しましたが、夢はずっとありました。
でも美術大学とか、とにかくお金の掛かるところへは行けなかったので、そういう夢を持つことはやめました。私には両親は居ましたけど、道楽の好きな父と、変な宗教に入ってる母はそれぞれ自分のために人生をイキテル人たちでしたので、早くから働いて自立していきました。
宗教は人の人生を狂わすので、自分は信じてて良いのだけど、周囲に迷惑を掛けるので嫌いです。本人は自分が正義の道を歩んでるとか、良いことをしてるくらいに思ってるのが厄介です。
後ろ盾が無かった私は、随分と自分で苦労を買ってまわりました。
でも色んな経験をしたからこそ、経験値の高さや、物事の奥行まで見通すことができるように鍛えられたな。と思うのです。
でも自分の経験から、親は後ろ盾でありたいと思っています。知人が言いました「親は子供のサポートをするけど、やるのも、やり遂げるのも子供だから。親は助けてあげるだけしかできない。」と。そうなんだよね。せめて私は自分がされて嫌だったことは繰り返さないようにしたいです。
でも心の中では、「テコンドーで自信をつけてくれたら良いな。黒帯になってくれたら良いな。」と、欲望だらけだったりします(笑)